この本は1997年から2002年ごろまでに、マネジメントの父とも呼ばれているP.F.ドラッカーが執筆して雑誌などに掲載された記事を、体系的に書籍用として編集し直したもの。ドラッカーと言えば、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の方が有名になってしまってるけど、その「マネジメント」はまだ読んでなかったりするんだが。(もしドラも読んでないけど)

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
で、「ネクスト・ソサエティ」がどういいのかっていうと、タイトルのとおり「ネクスト・ソサエティ」つまり次の社会についてドラッカーなりの鋭い透察でどう備えるべきかということが書かれているから。ちょっと前は情報化社会とか言ってたけど、今は情報化じゃなくて情報社会になりつつある。ドラッカーは知識化社会になるとも言っていて、もちろんその先は知識社会となる。他にも少子高齢化とかグローバル化とか、労働力の多様化などを挙げている。
それが何をもたらすのかというと、この本のサブタイトルである「歴史が見たことのない未来がはじまる」のだ。しかも、その変化は既に始まっていて、もちろん後戻りすることはない。特に少子高齢化なんて戻そうとしたって50年以上かかる。
社会が今までのままで通用するわけがなく、大きく変化する。ドラッカーは日本の状況についてもしっかりと分析している。
日本では、いまなお労働力人口の四分の一が製造業で働いている。この国が競争力を維持していくためには、2010年までにこれが八分の一ないしは十分の一になっていなければならない。すでにアメリカでは、1960年に35%だったものが2000年には14%になっている。しかもアメリカは、この40年の間に、生産量の方は三倍に伸ばしているのである。
まあ、そんなことを書き始めるとキリがないから、サクっと結論を書いとく。
この本は、子どもに読ませるべきだということ。中学生くらいになれば多くの部分を理解できるはずだから。将来の進路を決めるときに、これからの社会がどう変わっていくのか、ある程度の予備知識がないと判断を大きく間違ってしまう可能性が高いから。
学校の勉強よりもはるかに大切な事を学べる。

ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる
子どもには読ませるべきだと書いたけど、年金制度の崩壊がそれほど遠くない未来(20年も持つかなぁ?)にきっと起こるだろうから、定年退職目前で今の制度で逃げ切られそうな人以外は読んどいた方がいいのではないかと。

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